イタリア料理の歴史は古く、紀元前、ローマ帝国の時代まで遡ります。当時のローマ人は、食に対して熱い情熱を注ぎ、何よりも食事をする時間を大切にしていました。

腕の良い料理人を集め、贅沢な料理を披露するという流行が生まれ、その結果料理人たちも新しい料理の考案に励むようになり、お互いの腕を競い合うようになったのです。これにより、周辺の国々より一段と優れた食文化が育まれ、その素晴らしい食文化はヨーロッパ各地へと広がっていったと言われています。

イタリア料理は、フランス料理のルーツとしても知られています。きっかけは1533年、イタリアの名門貴族であるメディチ家のカテリーナ嬢が、フランスの国王アンリ2世に嫁いだこと。カテリーナ嬢が移住する際、イタリア人シェフを引き連れたことで、フランス貴族の食卓を一変させました。

当時のフランスでは、素材を焼くだけのシンプルな料理でしたが、香辛料やソースを取り入れるなど洗練されたイタリア料理に魅せられ、フランスの王族や貴族たちも追随したとされています。このようなイタリア料理の伝統と技術が、フランス料理発展の礎となったのです。こうした背景から、イタリア料理は「西洋料理の母的存在」として語り継がれています。